SSブログ

『備えあれば…』


Last moment―GT roman stradale (Motor Magazine Mook)

Last moment―GT roman stradale (Motor Magazine Mook)

  • 作者: 西風
  • 出版社/メーカー: モーターマガジン社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: ムック




震災から二年半が過ぎた。
あの時の衝撃的な記憶も、時の流れに明滅し、リアリティーを失いつつある。
そんな中でも心に深い傷跡を残し、容易に離れられない記憶もある。
私の場合、一部会社の操業不能により、
被災してない地域の工場までがひと月に渡って停止した事がその一つだ。
日本の工業界にそんな脆弱性があったなんて思ってもみなかったから。
そしてその脆弱性は今後のこの国の行方に関連があると、直感したからだ。
日本の工業界は、トヨタの『カンバン方式』に代表されるように、システマティックに無駄なく構成されている。
これが強みであるが、非常時にはこれが弱点になる事もあるのだ。
この事に気づかされた。


ところで、我が国ではかねてより南海トラフ地震の可能性が指摘され続けている。
所謂、東海地震、東南海地震、南海地震である。
これらの地震は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込む際に生ずる応力が蓄積されて、
それを発散する時に起こる物で、100年~150年に一度起こるといわれている。
これらが単独で、あるいは連鎖して起こる可能性も指摘されている。

もし、今、これらの地震が連鎖して起きたと仮定してみよう。

One Bright Morning…、東海地方を激しい地震が襲った。
地震は東南海、南海と連鎖し、地震とそれに伴う津波で日本中が混乱する。
被害地域は関東・東海から、
中京・紀伊半島・大阪沿岸・四国のおもに太平洋沿岸・九州の一部にまで広範囲に及ぶ。
被災額も甚大。
関東⇔近畿の交通網は遮断され、多くの都市機能がマヒする。

ここで最も問題だと思うのは、東海~中京と大阪沿岸である。
これらの地域には、多くの、日本が誇る企業の主要な工場が立ち並んでいる。
被災後、これらの工場は被害の程度にもよるが、長い期間の操業停止を余儀なくされるだろう。
工場自体の被害もさることながら、下請けや孫請けの会社もかなりのダメージを受けるだろうから。
先の脆弱性を考えれば、半年~一年かかったとしてもおかしくない。
より中枢に近い部分がダメージを受けるのだから。

ただし、これらの工場にはもう一つの選択肢がある。
『海外移転』である。
企業とは元来、利潤を追求するものである。
そして今は国際化社会である。
日本の企業であっても海外の資本が相当入っている。
『日本を再び立て直す!』という感情論の入り込む余地のないままに、
海外移転は決まってしまうかもしれない。
何せ、アジアに出ていけば、安い労働力で製品が作れるのだ。
工場再建にかかる費用・機関を考えれば、海外移転という選択肢も無理からぬことと思う。

さて、その時、である。
『その時日本の国債は暴落せずにいられるだろうか?』というのが、私の危惧するところなのだ。
企業が海外移転するという事は、法人税その他の税収の減少を招く。
海外移転する企業の数と、その規模にもよるが、税収の大幅減は避けられないだろう。
そうなると、国債の償還に支障をきたさないだろうか?
もしくは償還困難と判断されないだろうか?
『日本の国債の大部分は日本の銀行が持っているから、暴落の心配はない』と言うが、
この様な状況の中でも銀行は持ち続けているだろうか?
国債が暴落すれば、日本はもう借金できない。
そんな予算はもう、組めない。
地震で荒れ果てた国土と都市を前にして、我々は呆然と立ち尽くすしか出来ない、…のかもしれない。


これは私の想像だ。
『単なる妄言だ』と笑い飛ばすのも自由だ。
だが、もし、そんな危険性がほんの数パーセントでもあるのなら、『君子、危うきに近寄らず』、
前もって何らかの手を打っておくべきだろう。

打てる手は二つ。
一つは借金だらけの予算から、一刻も早く脱すること。
もう一つは企業の海外流出を予防する為に、税制を変え、企業に予備の生産拠点と設備を持たせること。
低利で貸し付ければ経済効果もあるだろう。
何れも今の政治家や官僚たちにはハードルの高い施策だと思うけれども。
でも…。





今週の一曲
Stardust Revue 『1%の物語』


Love Songs

Love Songs

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2011/02/23
  • メディア: CD



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

『What's 富裕層?』『善悪の彼岸1』 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。