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『生活ホゴ?』


神殺しの日本 反時代的密語 (朝日文庫)

神殺しの日本 反時代的密語 (朝日文庫)

  • 作者: 梅原 猛
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2011/03/04
  • メディア: 文庫




八月から生活保護の需給金額が引き下げられた。
正確には生活扶助費が引き下げられたというのかな?
三段階で引き下げられる、今回が第一弾と言う訳だ。
でもこれ、本当によく考えられた施策なのか、はなはだ疑問に思う。

第一に、『世はデフレだ』と言うが、俺らビンボー人にはデフレの恩恵は感じられない。
灯油なんか十年前の倍くらいするし、ガソリンも数年前の1.5倍くらいになってる。
必要なモノが高くなってるんだよな。
だから安くなるモノがあったとしても、相殺されて高い印象しか残らない。
それに『アベノ何とか』でこれからインフレ方向にもっていくつもりなんだろ?
インフレになったらまたすぐ上げるつもりかい?
それとも『アベノ何とか』は最初から失敗する(笑)と見越しての処置なのだろうか?

第二に、決定事項ではないが消費増税が控えている。
まぁ、ほぼ確実に上げられるだろう。
なぜなら、消費税増税は自民党はじめ多くの政治家の念願であったし、
ここで上げなければ国民に『税と社会保障の一体改革』などとウソをついてまでゴリ押ししてきた意味がなくなるから。
生活保護受給者はギリギリの金額しかもらってないはずだから、ほぼ全額が消費に廻ると考えていい。
だから消費増税は実質的には減額と同意である。
つまり、生活保護受給者にとって生活扶助費は五段階に引き下げられることになる。
総額にして幾ら下がる事になるかは判らないが、消費増税の影響もきちんと考慮しないと、
下げ過ぎてしまう恐れがある。
下げ過ぎて、生活保護受給者の生活が逼迫するようになったら、
憲法に保障されている『健康で文化的な最低限の生活を保障する』事が出来なくなってしまう。
それでは『生活保護』ではなく、『生活反故』だ。

大体、『生活保護よりも給与や年金が低い』と言うのは純粋に雇用や年金の問題であって、
それを生活保護費の引き下げによって是正するというのは単なるごまかしでしかない。
こう言う誤魔化しばかりやってるから、
日本の政治はいつまで経っても良くならないんだし、僕らの生活も良くならないんだ。



ネット上には生活保護費を簡易計算するサイトがあって、戯れに入力してみたが、
現在の仕組みに問題があるとしたら、世帯人数が増えるほど受給金額が跳ね上がる所だろうと思った。
例えば母子家庭で子供二人という世帯を想定して入力してみると、二十一万以上になる。
俺の友人は手取り十五万程度で子供二人を立派に育てた。
公的扶助を一切受けずに。
普通は子供が多いからと言って給料が上がったりしないもの。
その辺を是正するというのなら賛成するけど、ね。


そもそも、生活保護は社会における最後のセーフティーネットだ。
これが頻繁に使われるという事は、社会そのものが上手くいっていない事の端的な証左だ。
社会保障のシステムが社会の現状とマッチしていないのかもしれない。
そこんところ、政治家たちはどう思っているのだろう。
気づいていないなら、政治家としての力量を疑問視せざるを得ないし、
気づいていて何もしないんだったら政治家失格だ。
まぁ、それが出来ないバカ共ばかりだから、
問題が大きくなって始めて対策を考え始める、という事を繰り返しているんだろうけど、ね。


生活保護費の増加を問題視し、その抑制を企図するなら、
構成比で上位を占める『高齢者世帯』と『障害者・傷病者世帯』には手をつけにくいから、
『母子家庭』と『その他の世帯』を中心に攻めるしかないだろう。
とはいえ両者合わせても全体の四分の一程度だから、劇的なほど下げられるはずはない。
それでも、ってことで考えると、『養育費の義務化』と『労働の強制化』という対策は出来るだろう。

養育費は元夫が元妻に対してあげるものではない。
形としてはそうなるが、本来父親の責任として子供に与えるものである。
たとえ妻の側に瑕疵があって離婚に至ったとしても、夫の、父親としての責任は減ずる事は無い。
従って養育費は払わねばならないものだ。
これを義務化し、強制力を持たせた施策とする事によって、母子家庭の保護費はかなり減額できるだろう。
な~に、自主的に払わないヤツは給与の差し押さえでもやればいい。

『仕事がない』との理由で長期に保護を受けているものは、特別な理由がない限り、期間を限るべきである。
個人的見解では半年。
その中で次の仕事を見つけてもらう。
自分で見つけなければ、ハローワークと協力して強制的に斡旋する。
憲法には『職業選択の自由』が謳われているが、
それには『公共の福祉に反しない限り』との但し書きがつく。
公費で生活しているのだから、徒にその期間を延ばす事は『公共の福祉に反する』のではないか?
憲法には『勤労の義務』も謳われている事でもあるから、この程度の強制は適法ではないだろうか。
普通に働いている人たちだって、必ずしも自分のしたい仕事をしている訳ではないし、
仕事の為に故郷を離れる人だって珍しくない。
彼らだけが望みの職を得るまで保護されるのは、一般常識から考えて許されるべきではないと思う。

せめてこのくらいの対策をやってから、保護費の減額に手をつけるべきだと思うがね。
まぁ、国が右往左往する様を、じっくり見物するとしますか。





今週の一曲
角松 敏生 『DESIRE』


TEARS  BALLAD

TEARS  BALLAD

  • アーティスト: 角松敏生
  • 出版社/メーカー: BMGビクター
  • 発売日: 1991/12/04
  • メディア: CD



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