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『迷い子の祈り アストレアの涙』


デビルマン (1) (KCデラックス (435))

デビルマン (1) (KCデラックス (435))

  • 作者: 永井 豪
  • 出版社/メーカー: コミックス
  • 発売日: 1993/12
  • メディア: 新書




 (アストレアはギリシャ神話の神様。正義の女神。てんびん座の天秤の持ち主。
   そして、秩序を失くした人間を他の神々が見捨てる中、最後まで見捨てないでくれた女神。)

今日も世界のどこかで戦争が戦われている。
今日も多くの命が、無辜の命が失われている。


とりわけ気になっているのは、イスラエルによるガザ空爆だ。
ここでは1948年のイスラエル建国以来、多くの命が失われてきた。
特徴的なのは非戦闘員の犠牲者が多いことだろう。
今回もそうだが、空爆という手法は非戦闘員の犠牲を厭わない手法だ。
これは戦闘ではあるが戦争ではない。
あまりに一方的すぎるのだ。
20日現在、パレスチナ側の死者が400人を超えたのに対し、イスラエルの死者は7名。
パレスチナでは犠牲者の多くが民間人であるのに対し、イスラエルのそれは2名のみである。
比率から考えると『戦闘』という言葉すらおこがましい。
単なる虐殺行為だ。

彼我の力量の差は歴然としている。
そのことは先に上げた犠牲者の数を見れば明白だ。
その虐殺をイスラエルは今回だけでなく、事あるごとに行っているのだ。
ただ、自国の拡大に邪魔だというだけの理由で。

イスラエルのある政治家の『パレスチナ人は死ぬべきだ』とのSNSでの発言が物議を醸しているが
(なんて傲岸不遜な思考なのだろう)、
これは一部の狂乱者の妄言ではなく、イスラエル自体の暗黙の了解事項なのだろう。
そう考えないとこの毎度毎度の虐殺行為は説明が困難である。


言うまでもなく、イスラエルはユダヤ人の国家だ。
ユダヤ人は第二次大戦時にナチスによる迫害・虐殺を受け、多くの犠牲者を出した。
その数580万人という。(諸説あり。この数字は『ニューヨーク・ユダヤ人問題研究所』の推計。)
戦後ユダヤ人達は虐殺に関与したナチスの元党員を執念深く探し出し、処刑をしている。
(この裁判および処刑が、どんな法律を根拠としているのか分明でない。
   もしもイスラエルの国内法で裁かれたのなら、それは私刑に近いのではないか?)

普通、苦難にあった人達は他者に優しくなるものだと思うが、この国の人達はそうではないらしい。
イスラエルが建国されて六十数年。
この国の歴史は常に血と硝煙の臭いと共にあった。
この地にこの国が出来たことによって、一体どのくらいの命が失われたのだろうか?
正確な数は分からない。
もしかするとイスラエルはヒトラーの作った大量虐殺の記録を塗り替えるつもりなのかもしれない。
彼らの思考は、ユダヤ人の虐殺を『最終解決』としたナチスの思想となんら変わりがない。
虐殺だけでなく、この六十数年の間常にパレスチナ人達の平穏を脅かし続けていることは、
人権問題においても大きな罪だ。
戦闘と(イスラエルによる)迫害しか知らないパレスチナの人達。
彼らの人生を考えると、悲しい。
他の多くの国々の人々が享受している平穏で満たされた人生は、彼等の為には用意されていない。

なぜ彼らユダヤ人達は斯様に偏狭で、独善的で、閉鎖的で、被害妄想で、恨みがましく、
そして好戦的であるのか?
もしもそれがユダヤ人の民族性なら、こんな民族、ヒトラーでなくとも排除したくなるだろう。
不謹慎な発言なのは重々承知の上だが、
『ヒトラーの最大の罪はユダヤ人を根絶やしに出来なかったことだ』と言いたい。
そうすればイスラエル建国以降の犠牲は避けられた。


かつてイスラエルのラビン首相とパレスチナのアラファト議長が手を取り合ったことがあった。
そのとき世界は狂喜し、安堵し、そして感動した。
『ようやく中東に平和が訪れたのだ。』
『ようやく祈りが届いたのだ。』
世界の感動は、二人のノーベル平和賞受賞という形で表れた。
だけどラビン首相は暗殺された。
他ならぬユダヤ人の手によって。
それは、イスラエルが世界中の安堵と感動と祈りを裏切った瞬間だった。
以降、イスラエルは強硬路線に走っていく。


中東の平和とパレスチナの人達の平穏を、僕達は誰に祈ればいいのだろう?
漠然とした僕たちの祈りは戦地を彷徨い、消えていくばかり。
かつてイスラエルは自らの庇護者であるアメリカの言うことは渋々ながらも聞いていた。
しかし今のイスラエルが『無力なオバマ』の言うことを聞くことはないだろう。
ならば神に?
いや、神は無力だ。
彼らは自らの神を掲げて戦っているのだ。
そして彼らの神は異教徒には無慈悲だ。
そこに客観的正義はない。
アストレアはただ涙するだけ。


『杉原千畝』という方をご存知だろうか?
彼は外交官で、第二次大戦時ヨーロッパにいた。(リトアニア・カウナス領事館)
戦地から追われ、行き場をなくした難民に同情した彼は、
外務省の指示に反して日本通過のビザを発給し、多くの難民(約6000名)の命を救った。
その多くがユダヤ人だったという。
『東北大震災』の際、ユダヤ人達は千畝の恩に報いようと多額の援助をしてくれた。
ユダヤ人達は、『千畝の恩』を忘れていないのだ。
もしかしたら、これが希望なのかもしれない。

千畝の恩を忘れていないなら、千畝の心を汲み取ってほしい。
彼はユダヤ人だから助けたのではない。
人として、苦難に会っている人達を放っておけなかったのだ。
その千畝が、天国にいる千畝が、
自らが苦難から救った人達の子らが他の人達に苦難を与え続けている今の姿を、
どんな思いで見ているだろうか?
ユダヤ人たちには考えてみてほしい。
 (ここら辺の話を小説にしようと目論んでいるのだが、俺、文才無いから・・・。
   蛇足です。単なる愚痴です。)


中東に平和が訪れる日。
その日が来るのなら、イスラエルは彼の地にいられないだろう。
ラビン暗殺で世界中を裏切った報いだ。
たぶん、アメリカの一部に土地をもらい永遠の平和を享受するのが一番の回答だろう。
アメリカ人の多くは『親イスラエル』だから。
そしてパレスチナの人達は平穏を取り戻す。

せめて今は、いつかそんな日が来ることを祈ろう。
たとえ行き場のない、迷い子の祈りになったとしても。



今週の一曲
菅野よう子 『I do』(攻殻機動隊OST2より)



攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX O.S.T.2

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX O.S.T.2

  • アーティスト: TVサントラ
  • 出版社/メーカー: フライングドッグ
  • 発売日: 2011/03/30
  • メディア: CD




今週のいらないもの
先日(って一月も前か)、ついに『集団的自衛権行使容認』が閣議決定された。
自民党『防衛部会』(=通称。正式名称は『ミリヲタクラブ』)の寄り切り勝ちである。
連中、もっともらしい理屈をこねて『改憲』を叫んでいたが、
結局ただ戦争がしたいから改憲したかっただけなのね。
それはともかく、
国のあり方・形を根本から変える決定を『閣議決定』で行うなどあってはならない犯罪行為だ。
日本およびすべての日本国民に対する犯罪である。
安倍も、石破も、高村も、麻生も、これに賛同したその他諸々も、戦犯である。

それにしても、だ。
情けなかったな~、公明党。
支持母体の創価学会が『行使容認反対』を訴える中で、
どれだけ存在感を示せるか期待してたんだけど、あっけなかったなぁ~。
所詮何も分かってない連中、何も考えてない連中だから、期待したのが間違いだった。
もうイラネーんじゃね?
こんな党。
昔から思ってたんだけどさ、所謂『中道勢力』が日本をダメにしている。
中道勢力って言ったら、公明党と民社党。
民社党はもう無いけど。
『中道』の本来の意味は『中途半端』とか『宙ぶらりん』って意味じゃなく、
アウフヘーベンなのに、一番難しくて一番重要な位置なのに、
あっちフラフラ、こっちフラフラ。
全く腰が据わってない。
政権与党になりたくて自民党に擦り寄る公明党の罪は大きい。
なんたって自民党政治の本質は『日本の、日本による、アメリカ政府のための政治』なのだから、
それに組することによって日本および日本国民の本来の利益を大きく損なわせているのだ。
『亡国の徒』との誹りは免れまい。

『宗教法人と開業医には応分の課税すべき』というのが持論なんだけど、
自民党と公明党がくっついている限りは実現しないだろうし。
もっとも創価学会は大石寺から破門されてる状態だから、宗教法人と言えるかどうかアヤシイ。
大体さぁ、自民党も公明党も『日本を取り戻せ!』みたいなスローガンを掲げてるけど、
そうしなきゃならなくなったのは民主党のせいじゃなく、(まぁ、民主党もひどかったけど。)
その前の自公政権がダメだったからだってこと、棚に上げてねーか?
創価学会にはぜひ、早いとここんな党は見限って欲しいもんですネ。
創価学会にこの国を思う心があるのなら、だけど。







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