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『原発を考える』


週刊 プレイボーイ 2013年 8/12号 [雑誌]

週刊 プレイボーイ 2013年 8/12号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: 雑誌




福島第一の原発事故以来、反原発の声が絶えない。
長年反原発の立場にいる者からすれば、「やっと、まともな議論が出来る」という思いが強い。
何せ以前はまともな議論など出来なかった。
テレビで「原発に反対するなら電気を使うな」と、堂々と暴言を吐くヤツまでいる始末だ。
もちろん事故による福島の方々のご苦労・苦衷は痛ましく思うが、
それだからこそ今ここでしっかりとした議論を行い、よりよい明日に繋がって欲しいと願う。


僕自身は二十数年来の『反原発』である。
理由は、『極めて巧くいった状態でも、問題が山積みになるから』である。
きっかけは、当時某週刊誌(№32の表紙の夏菜ちゃん、激カワ 思わずフォトブック買っちまったぃ。)
に連載されていた記事である。
その記事は『原発は未来のエネルギー』というスローガンをまともに信じていた僕の稚拙な考えを破壊するのに十分な破壊力を持っていた。
以降、あちらこちらの本を読みあさり、たどり着いたのが上記の結論である。
『極めて巧く言った状態でも…』と断ったのは、大小問わず事故などが起きない状態の事であり、
(現実には小さい事故は頻発しているし、福島は別格にしても大きな事故も少なくない)
後に残される問題は主として廃棄物の問題である。
福島の事故などは、もう『何をかいわんや…』と言うレベルの話である。

もしも子供や孫に借金を背負わせてそのお金で豪遊しまくるジジイがいたら、
希代の愚か者として非難されるだろう。
しかし、このジジイ、もしかしたら僕等の姿かもしれない。
原発によってもたらされる廃棄物は放射線がなくなるまで、長期の保管を要する。
放射線の量が半分になる期間を『半減期』と言い、核物質の種類によって違うけれども、
例えばプルトニウム239は二万四千年の半減期を持つ。
(安全になるまで一体どのくらいの時間を要するだろう。…想像もつかないや。)
今から二万四千年前に歴史をさかのぼってみて欲しい。
その頃文明があったのかすらアヤシイ。
それを考えればこれがどのくらい長い期間か判ってもらえるだろう。

安全になる基準を仮に十半減期(最初の放射線量のおよそ千分の一になる期間)と仮定しても、
二十四万年の間保管を続けなければならない。
廃棄物を入れる容器も永遠ではないし、保管する建物だって、
(放射線の影響を考慮しなくても)百年はもたない。
そうなると容器の入れ替えや、
式年遷宮宜しく保管建屋の定期的な建て替えと廃棄物の移動もしなくてはならない。
それらにどれほどの労力とエネルギーを強いるのか。
これ、すべて我々が『必要』だと言って使ってきた電力のつけであり、
その多くを負担するのは我らの子孫たちだ。
こんな大きな負の遺産を、子孫に残す事を『よし』としないから、僕は原発に反対なのだ。
皆はどうだい?


原発に『賛成』にしろ『反対』にしろ、僕たち一般人のレベルではその程度で構わない。
しかし、政治家や経済界の重鎮など、国の行く末に影響力を持つ人々の意見は浅薄なものであっては困る。
『原発賛成』なら廃棄物の処理や万一の事故の対応を、
『原発反対』なら代替エネルギーを具体的に(メガソーラーなんてダメだよ。あんなの)、
現実に可能な範囲で語ってもらわねばならない。
だけど…、それを語ってくれる人は、いないねぇ。
責任ある立場の人でそれを語らない人は、まず、信の置けない人と見て間違いない。
大体、福島もまだ終息できていないのに、原発の再稼働を謳う人は、どこか頭、おかしいよ。

個人的には、メタンハイドレートの実用化を急ぎ、それを利用した火力発電を柱に据え、
如何に二酸化炭素を出さないようにするかの研究開発を進めるのが一番良い解答の様に思える。.
エネルギー問題の解決と共に、
メタンハイドレートの採掘など副次的な職業も増え、雇用にも役立つと思うのだが…。


日本の原発は、科学者たちの猛反対の中、政治家の主導で行われてきた。
その為、多くのゆがみが見られる。
今福島の惨状を見ると、
故武谷三男博士が原子力の三原則を、『公開』『民主』『自主』の順番で提示した意味がよくわかる。
『すべての情報が完全に公開される事』が如何に切実な問題なのかが判るから。
これもバカな政治家どもによって書き換えられてしまったけれど…。
何れにせよ、原子力と言う政治家どもには過ぎたおもちゃは、
まだ科学者の手を離れてはならない技術だった。
『核兵器』という言葉無くして原子力というロジックは完結しないのだ。
それだけは確かなようだ。


P.S. 原発について考えたいと思った諸兄には、西岡孝彦氏の『ぼくが、原発に反対する理由』と、室田武氏の『原発の経済学』の二冊をお勧めする。本当は件の雑誌の連載記事も読んで頂きたいところだが、難しいだろうから。





今週の一曲
Alan Parasons Project 『Day After Day』


I Robot

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony Legacy
  • 発売日: 2007/03/06
  • メディア: CD



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